天国はまだ遠い

感情の置き場

二月の温度

冬の夜が好き。冷たい頬をつつむマフラー、真夜中のミルクティ、灯油の燃える匂い、熱いお風呂、ラジオから聞こえてくる人の声。外出から帰ったときの一瞬の幸福のために出掛ける気になれる。
冬の朝も。やわらかい冬の光は私の傷を乱反射させていつもより少しだけ美しく見せる気がする。
寒い日のあたたかい記憶は時間の流れの外にある感じ。どれを思い出してもやさしくて寂しい。

昨日は友達の誕生日を買いに出かけたんだけど、家を出たら春の訪れを感じさせる空気で少し残念な気持ちになってしまった。そろそろ春を迎えに行きたくない。



桜の満開の木の下で - Merry Go Round
春は嫌いだけどこの曲は好き。思春期の吸血鬼と毒蟲もよく聴く。病的というよりもはや病気だし変態の域でとっても好き。なんか私永遠に厨二病でいられたらいいな。私はヴィジュアル系に詳しくないからヴィジュアル系に猟奇性が入ってきたのはいつからだろうとずっと疑問に思ってたりします。


ウエハースの椅子 - 江國香織
私がずっと漠然と思っていたことが上手く言語化されていく感じで良かった。「私たちはそれ以上なにも望むことがない。終点。そこは荒野だ。」人間は満足していないのが当たり前で、満たされてしまったら終わりだ。これから先、今この瞬間以上がないと確信したら絶望感しかないだろう。恋はどこまでも孤独。満ち足りて行き止まり。恋はゆるやかな自殺。